収入トピック
■ 漫画家の年収事情

単行本を出版している漫画家の平均年収は360万円。どこかの雑誌で連載を持っている漫画家の平均年収は500~600万円だそうです。人気漫画週刊誌に乗るような漫画家は数千万円~数億円の収入があります。平均的な値ですので、多くの漫画家は、ギリギリな経済状態で漫画を描いているそうです。
漫画家の収入源は、大きく3つあります。
① 原稿料
週刊誌、月刊誌に連載する際の原稿料です。人気漫画家であれば1ページ2万円~3万5000円前後が多く、生活するのにも問題ないくらいの原稿料が受け取れます。人気週刊誌の場合、平均して1か月で150万円、年間で1800万円ほどの収入となるようです。
② 単行本コミックスの印税収入
印税は出版社や契約によっても違いますが、一般的には8%~10%ほど。500円の漫画本が売れたら、40-50円貰えるそうです。年間100万部売れた場合、4000万円~5000万円の印税収入が見込めます。売れっ子漫画家の作品は多くの読者に買われているので、その分印税も増えて収入も増えるようです。
③ 権利収入(原作使用料)
漫画作品が売れるとキャラクターのキーホルダーなどのグッズ・アニメ化やゲーム化、ドラマCDを作る企画が持ち上がります。このときに出る売上・利益も何%か、もともとの作り手である漫画家にロイヤリティ(著作使用権)として支払われることになっています。具体的には、アニメが1話分放送されると、漫画家には10~15万円分入ってくる。ゲーム化されて1本売れると売り上げの3%が漫画家に支払われると言われています。映画化に伴う興行収入の何パーセントかは、原作者に還元されます。
■ 納税額に基づいた推定年収
【 青山剛昌 (漫画家)さんの推定年収 】
- 年度 / 順位 / 年収額 (万円)
- 1996 / 4位 / 92193
- 1997 / 3位 / 91845
- 1998 / 3位 / 83241
- 1999 / 8位 / 53655
- 2000 / 3位 / 59382
- 2001 / 6位 / 48702
- 2002 / 11位 / 40536
- 2003 / 5位 / 47829
- 2004 / 5位 / 41493
関連記事 高額納税額 (1983年~2004年)
※ 自治体から公表されたデータに基づいています
青山剛昌さんは、1996年~2004年にかけて高額納税者リストにランクインしています。当時の推定年収は、4億0500万円~9億2000万円です。
1996年に『名探偵コナン』がアニメ化の影響で、10億円近い収入を得て以降は、意外なことに右肩下がりで下がってきています。
単行本などは、巻を重ねるごとに過去の積み重なりで印税収入が増えていきそうですが、そうではないようです。アニメ化に伴い新規の読者がたくさん増えることで、一時的に印税収入が増えるようです。
■ 青山剛昌さんの年収

(写真)『名探偵コナン』が世界的ヒット
青山剛昌さんの推定年収に関しては、多くのメディアで10億円以上と予想されていますが、信ぴょう性が高いです。
一例としてとあるメディアでは、①原稿料②印税③原作使用料をトータルすると、推定年収は2,400万円(原稿料)+10億5,600万円(印税)+2,000万円(原作使用料)=11億5,600万円であると推測されています。
過去の実績などを加味すると、②の印税収入に関しては、5-6億円。③原作使用料は、5-6億円などが妥当であると考えられます。③原作使用料は、劇場版コナンの興行収入が近年は100億円近いことが理由で、軽く数億円を突破していると考えられます。
最新作である『黒鉄の魚影 (26作目/2023年4月14日)』は、興行収入が、137.1億円と歴代記録を塗り替えました。仮に原作使用料が3パーセントだった場合(長年映画がヒットしている実績があるため、実際はもっと高額な契約であると予想)、この作品だけで、4億円近い収入が得られているはずです。
もちろん映画化に伴って、各種グッツや企業とのタイアップ広告等もあります。こういった関連の原作使用料でも、最低でも億単位でもらえている計算になります。
『名探偵コナン』に関しては、単行本の印税額もすごいですが、それ以上に劇場版映画が大ヒットを記録し続けている為に、高額な収入となっています。
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※近年のコナン作品は、歴代興行収入トップ50入りに7作品ランクインしています。
■ 青山剛昌さんの近年の主な仕事

(写真)青山剛昌さんの仕事現場
青山剛昌さんは「週刊少年サンデー」(小学館)にて、名探偵コナンを連載中です。
映画の舞台挨拶や、記念イベントなどに出演することもありますが、基本的には忙しく漫画を描き続けていると考えられます。
青山さんは過去に語った『名探偵コナン』の制作裏はとても過酷です。睡眠するときくらいしか休みはなく、休載時に旅行へ出かけてもコナンのことを考えて完全な休みはないそうです。
1つのエピソードが描き終わると仮眠。起きるとその日のうちに編集者と次の話作りに取りかかかる。結末まで一気に3、4話を打ち合わせ、3日間でネームを仕上げ、再び打ち合わせ。そして4日間でペン入れと仕上げ。1週間の流れで原稿を完成させているそうです。
青山先生が何十年間もプライベートの時間を限りなく犠牲にして作成した人気作品ですので、しかるべき報酬が得られていて当然ですね。
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